AI safety / 年齢確認

AIアダルトモードは安全?年齢確認のしくみと、確認では防げない危険

年齢確認で変わるのは、10代向けの保護をかけるかどうかまでです。ChatGPTでは18歳以上と確認されると10代向けの保護が外れますが、同意のない性的な内容や未成年を性的に扱う内容は、成人でも使用ポリシーで禁止されたままです。確認のために預ける写真や身分証の扱いも、使う前に確かめておく必要があります(2026年10月16日確認)。

結論:年齢確認は「誰に見せるか」の仕組みで、「何を作ってよいか」は変えない

「アダルトモード」という言葉から、年齢確認さえ通れば何でも作れる状態を想像しがちですが、公式資料が説明している仕組みはそうなっていません。年齢確認が切り替えるのは10代向けの保護で、性的暴力や同意のない性的な内容、実在の人物を本物と誤認させる使い方などは、年齢にかかわらず禁止です。

安全の面で考えておくことは3つです。確認のために何を誰に預けるか、確認で何が変わり何が変わらないか、そして確認では防げない危険は何かです。このページでは、年齢確認の手順を公開しているChatGPTを例に、公式のヘルプとポリシーで確かめた内容を整理します。

年齢確認のしくみ(ChatGPTの公式ヘルプから)

OpenAIのヘルプ記事「Age prediction in ChatGPT」によると、ChatGPTはアカウントに結びついた信号から、利用者が18歳未満かどうかを推定します。例として、話す話題の傾向、使う時間帯、アカウントの使われ方、アカウントを作ってからの期間が挙げられています。

アカウントを作るときに生年月日を入れていても、この推定は追加の安全確認として行われます。18歳未満の可能性があると判断されると、「ChatGPT for Teens」の体験に自動で切り替わります。

誤って10代向けにされた18歳以上の人は、設定から「アカウント」を開き、「年齢」で区分を確かめます。「年齢を確認」が表示されていれば、Personaという外部の会社の手順で確認できます。

Personaは国によって、その場で撮る自撮り写真、政府発行の身分証の写真、またはその両方を求めます。身分証の場合は生年月日と、自撮りが身分証の顔写真と同じ人かどうかが確かめられます。

段階使われるもの利用者がすること
申告アカウント作成時の生年月日入力する
推定話題・時間帯・使われ方・アカウントの期間特になし(自動)
本人確認自撮り写真・身分証(Persona)誤判定のときに自分で行う

表はChatGPTの場合です。年齢確認の方法や預ける情報は、サービスや国によって違います。

預けた写真と身分証はどう扱われるか

同じヘルプ記事によると、Personaはアップロードされた身分証や自撮り写真を、確認のあと7日以内に削除します。OpenAIは身分証や自撮り写真そのものは受け取らず、受け取るのは生年月日か年齢の推定に関する情報だと説明されています。

身分証の写真では、氏名・生年月日・顔写真が読める必要がありますが、国民ID番号のような番号は見せる必要がなく、隠してからアップロードしてよいとされています。

年齢確認が使えるアカウントでPersonaの確認を済ませると、その後は年齢の推定が行われない、とも書かれています。

安全の面でいちばん大切なのは、確認を求める画面が本物かどうかです。ChatGPTの手順は、アプリやウェブの設定の中から始まります。メールやSNSのメッセージから身分証の提出を求められた場合は、そのリンクを開かず、自分で開いたアプリの設定から確かめてください。

年齢確認で変わること・変わらないこと

ChatGPT for Teensでは、生々しい暴力、危険な行動をあおる流行のチャレンジ、性的・恋愛的・暴力的なロールプレイ、極端な美の基準や不健康なダイエットをあおる内容などが、慎重に扱われたり減らされたりします。18歳以上と確認されると、これらの10代向けの保護が外れます。

一方で、OpenAIの使用に関するポリシー(2025年10月29日発効)は、利用者の年齢にかかわらず、性的暴力や同意のない性的・親密なコンテンツ、OpenAIの安全対策の回避、本人の同意なく実在の人物の肖像を本物と誤認させる形で使うことを禁止しています。

未成年については、AIが生成したかどうかを問わず児童性的虐待コンテンツを禁止しています。未成年に性的なコンテンツを見せることや、未成年による性的なロールプレイも禁止の対象です。

変わる10代向けの保護(性的・恋愛的なロールプレイなどを慎重に扱う設定)が外れる。
変わらない同意のない性的な内容、性的暴力、実在の人物を本物と誤認させる使い方の禁止。
変わらない安全対策を回避しようとすることの禁止と、未成年を守るための禁止。

年齢確認では防げない危険

  • 実在の人物の性的な偽画像:作る側が成人であることと、写っている人が同意していることは別です。顔写真ひとつで本人の生活が壊れることがあります。
  • 同意のない画像の拡散:一度広がった画像は、元のページを消しても別の場所に残ります。
  • 会話の記録:親密な会話の内容はアカウントや端末に残ります。家族と共有している端末や、仕事のアカウントでは使わないでください。
  • 偽の年齢確認画面:年齢確認を口実に身分証の写真を集める画面やアプリに注意します。
  • 長時間の利用:AIとの親密なやりとりが、睡眠や仕事、人との関係に影響していないかを、ときどき自分で振り返ります。

どれも、利用者が18歳以上だと確認できても減らない危険です。年齢確認を通ったことを、安全に使える証明だと受け取らないことが大切です。

日本の18歳と、AIの「18歳以上」

日本では、民法の成年年齢が2022年(令和4年)4月1日から18歳になりました。ChatGPTが10代向けの保護を外す境目も18歳なので、日本の成年年齢とそろっています。

ただし、成年であることと、そのサービスで何が許されるかは別の問題です。19歳でも20歳でも、成人向けの内容をどこまで扱えるかは、各サービスの規約しだいです。

偽の性的画像などの被害を受けた時

本人だとはっきり分かり、本人になりすました偽の性的な画像や動画が同意なく公開された場合は、Google検索の結果からの削除を依頼できます。Googleは、同じ画像がほかのページにあれば、それも見つけて検索結果から外すよう努めるとしています。

削除されるのは検索結果への表示で、元のページはウェブ上に残ります。掲載先のサービスの通報窓口にも並行して連絡し、URLと画面の記録を先に残してください。

緊急でない相談は、最寄りの警察署か警察相談専用電話の「#9110」が使えます(警察庁の案内)。危険が迫っている場合は110番です。

年齢確認を使う前のチェック

  1. 年齢確認の画面は、アプリの設定から自分で開いたものか。
  2. 身分証の写真で、見せなくてよい番号を隠したか。
  3. 確認を受け持つ会社が、データをいつ消すと説明しているか。
  4. 実在の人の写真を、本人の同意なく使っていないか。
  5. 共有の端末や仕事のアカウントで使っていないか。
  6. 困った時の相談先を控えたか。

関連記事

よくある質問

年齢確認をすれば、AIで何でも作れるようになりますか?

なりません。ChatGPTの場合、外れるのは10代向けの保護で、同意のない性的な内容や性的暴力などは成人でも禁止です。

年齢確認で預けた身分証はどうなりますか?

ChatGPTの場合、Personaが確認後7日以内に削除し、OpenAIは身分証や自撮り写真そのものを受け取らないと説明されています。

19歳は未成年ですか?

日本では2022年4月1日から、民法の成年年齢は18歳です。19歳は成年ですが、何が許されるかは各サービスの規約で決まります。

偽の性的な画像を作られたらどうすればいいですか?

記録を残したうえで、掲載先への通報、Google検索の削除依頼、警察への相談(緊急でなければ#9110)を並行して進めます。

確認した公式資料

いずれも2026年10月16日に確認しました。ヘルプやポリシーは更新されるため、手続きの前に最新版を確かめてください。